Tael&Tatl テールとテトル

おしゃべり好きの暴露話。

なぜ権力は腐敗するのか 権力の終焉をまとめてみた

こんにちは、鳴海です。

前回書いた記事「権力の終焉の理論が現実で起きていた話」という記事を書いてみたのですが、あまりにも本の内容が説明できていなかったため、リベンジ記事を掲載したいと思います。リンク先の記事を読む前にこちらを読んでいただけるとスッと頭に入るかと思いますので、ぜひご覧ください。

 権力が世の中を支配する4つの仕組みとは

権力とは、もしも持てるのであれば誰もがもちたいと思うものでしょう。権力社会、ヒエラルキー社会の中で権力者に上り詰めるのはどうすればみなさん大体ご存知かと思いますが、じゃあなぜ権力が社会に対して大きな力を持っているのか、考えたことはあるでしょうか。社会学の中で理念型と呼ばれる考え方では以下の4つに分けて考えられます。

物理的な力-軍事力、暴力、資金や資源など

これは簡単にイメージできるかと思います。例えば学校でのいじめや、ヤンキとパシリの関係などはこれに当たるでしょう。「焼きそばパン買ってこい(しないならシメるぞ)」といった権力の振りかざし方ですね。暴力や軍事力で相手に力を誇示する方法です。

 

規範-社会的、伝統的慣習としての服従を求めるもの

日本ではこの影響力を受けているものがとても多いので、こちらもイメージは難しくないと思います。若いものは年長者に対して挨拶をしっかりしなさい、しなければそのコミュニティから疎外されるぞ、といった形の権力の動きですね。なかには、伝統的な習慣の中で価値観として刷り込まれてきたが、本来は生産的効率的ではないといったものもイメージできるものもあると思います。

 

売り込み(説得)-相手の考え方や感じ方を変え、行動を変化させる

相手に対して様々な説明をして、どう価値があるのかを伝えて認識を変えさせる手段です。企業の商品の売り込みはこのやり方をポジティブに使って営業活動を進めていますが、その力をネガティブに使うといわゆる「洗脳的な」説得も可能です。カルト系団体や中東の危険な組織はこういった力を使っているといえるのではないでしょうか。

 

報酬-利益により人の行動を変える

こちらは政治的な癒着などで見えてくるのが典型的な例ですね。「XXXしてやるからーーーしてくれ」などといったやり方です。一般的な権力の振りかざし方といえばそうなるでしょう。

 

4つの手段が弱体化しているから権力も弱体化した?

本の中では、上記の4つの力が経済発展などの様々な要因により上手に作用しなくなってきたことが原因となって権力の優位性が弱まっていると語られています。3つありますので1つずつ見ていきましょう。

1,豊かさの革命が起きた

一つ目の理由が「人々が豊かになったから」です。それ以前は豊かな生活は当たり前ではなく、権力に服従することでお金がもらえたりしていて、服従以外に生きていく手段がなかった人々もたくさんいました。しかし現在は、権力に服従しなくてもある程度の生活を送ることが可能なので、権力の強制力がなくなった、と言われています。

2,移動革命が起き、服従<<逃亡になった

逃亡、とかくと語弊があるかもしれませんが、移動が簡単になったことで人々が権力者に対して絶対的服従をする必要性がなくなりました。例えばいじめの問題では、いじめっ子がいない学校に引っ越すことで権力者から逃れることが可能です。これまでは移動が自分の足しかなかった状態が変わり、村から都市へ移住も可能になったために、権力者が人々に対して自由に操る力を持ちにくくなったと言えるでしょう。

3,意識革命-期待感と基準の変化

権力者に対して、もっと権力者ならこうするべきだ、今の権力者はおかしい、といった意見が生まれるきっかけは、豊かさ革命などによって生まれた意識改革があったことです。インターネットや産業の高度化などにより、自分たちの立ち位置を客観的に見ることができ、自分に対する基準が変化したとともに、権力者に要求するレベルも高くなったため、権力者降ろしが活発化しやすくなって権力者としての寿命が縮んでいるといえるのではないでしょうか。

 

権力の影響力も小さくなり、寿命も短くなった

この通り、権力を取り巻く状況が大きく変わったために、権力者が途中で辞任するケースが多くなり、仮に権力者としての地位を獲得したとしても思ったほど自由度がない、といった状況が増えている、というのがこの本の言いたいことでした。また、先ほどの3つの革命により、新しい小さな革命家、社会運動が生まれやすくなり下克上的な事件が起こりやすくなっているとも語られています。

 

 

権力の衰退は独占を防ぐが、政治停滞や不正チェックのコスト増を生む

権力の衰退によって、大きな力を持ったものが地位を維持しにくくなり、独占的な競争が生まれにくくなります。これは消費者や社会にとってはいいことではありますが、逆に権力の衰退の悪影響もあります。

一つも権力を持つ物がなくなった時に、権力者を取り囲む小さな勢力たちが意思決定に対して過剰なチェックを命じる社会が到来し、それが大きな資金的なコスト、また政治を前にすすめる足かせになるためになり、結果的に政治停滞を起こすとも言われています。こちらは、現在(2016年9月1日)の話で言うならば、築地市場の解体と移動の件でイメージしてもらえると理解できるかと思います。

 

権力は衰退しすぎても行けない

いま見ていただいたとおり、権力の衰退した社会にも権力が支配する社会にも良い点と悪い点があり、このままでは権力が衰退してより生産的でない社会が到来するかも知れません。無秩序に人々が小さな意見の集団に分散しすぎては、マクロ的には悪影響が発生することも見て、権力者はやり方を考えなければいけませんね。

そのための手法もいくつか書いてありましたが、大きな力を持つものとしては誠実に正しくなり、そのうえで組織を作っていくことが一番であると筆者は語っています。(詳しくは本書を読んでご確認下さい。)もしも皆様が組織の長を任される時などは、この辺りを上手に考えてみてくださいね。

鳴海

 

権力の終焉

権力の終焉